当サイトのビーズドールについて


当サイトのビーズドールは、
和紙のしおり人形や姉様人形を立体化したような雰囲気で
しかもコンパクトに、竹から出て来た時のかぐや姫サイズ
(三寸ばかりなる人、いとうつくしうてゐたり)というのが基本コンセプトです。

でも…実を言うと、結構ネツゾウ部分が多いんです。
「源氏物語.comのせいでウソ覚えさせられたよ!どうしてくれるの!!(怒)」
と言われないために、ウソ部分をこのページで白状いたします…

まずは髪型から。
当サイトの姫君たちの髪型、前髪があるように見えるかもしれませんが
おそらく平安時代の姫君は前髪を切って垂らすことはしてないです。
平安時代に成立した源氏物語絵巻を見る限り、
そうしてしまうと前から見たときの尼さんの髪型と大差なくなってしまいます。
だからしないだろうというわけです。
それに実は私、前髪があるように作るつもり、なかったんですよ(泣)
気が付いたら勝手にそれらしい何か(!)がついてたんです。
まあ見た目がかわいいからこれでいいや、と流してしまったことをここに打ち明けます…
ですが!
今書いたように見た目がかわいいので、今後もこのスタイルでいくと思います。
とはいえ、一応前髪は無いものと思って見てください…

次は装束について。
前にどこかで書きましたが正確さには欠けています。
袿から詳しい話を始めます。
当サイトの袿の身頃や袖の幅はどこも狭めな上、割合も不正確です。
特に、最初に作った紫の上は激しい(!)です。
今は少し幅を広げたので、多少は分かりにくくなっていると思います。でも狭いです。
けっこう重たいので、軽量化を図りたかったんですよね…
袖の付け方も現代の着物と同じように、下まで身頃に縫い合わせない作りにしています。
平安時代の袿は今のかいまき布団のように、袖が下まで全部身頃に縫い合わせてあった
という記述をどこかで見た気がしますが、
そうしてしまうとビーズの厚みの分でポーズをとらせられなくなってしまうんです。
あとは肩周りの布のつながり方と袖を輪にした時の縫い目の位置ですね。
本当は肩に縫い目はありません…
現代の着物もそうなっていますが、前と後ろで一続きです。
袖も本当は縫い目が下側に来ます。
物が小さいので、構造を優先すると柄の間隔がヘンに間延びしたような感じになったり、
この柄はこの位置にあったほうがいいと思われる位置からずれたりしてしまったんです…
というわけで、ぱっと見た時の印象を優先するために、
つなぎ目をいじって柄を見栄えのいい位置に持ってきてしまいました…
よく計算してどちらも優先させろ!といわれてしまえばそれまでなんですが(汗)
さらに、袿は3枚重ねを基本にして、一番下に着る単は省略しています。
袿の重ねる枚数は今でこそ5枚とされますが、昔(平安時代)は割と自由だった時もあるようです。
だからいいかなあ…と。
それにきちんと5枚重ね+単にすると、見た目がうるさくなるような気もしました
(それなりの身分の人物ばかり作っているわりに小袿姿を作らないのもこのためです)。
そして実際に袿を3枚作って重ねるのではなく、1枚の袿にすべての情報を詰め込んで作っています。
名付けてマトリョーシカ方式です(笑)
服が絵として表面に書かれている、あのイメージですよ。
これも主に軽量化のためですが、3枚重ねるのは厚みのために現実的に厳しいでしょうね…
唐衣と裳を着せるデザインのときももちろん(?)マトリョーシカ方式です。

そうそう、唐衣と裳の着せ方については、ちょっとした見どころがあって(←見てほしいのです)
唐衣を裳の下に着込めていないように作りました。
現在伝わるように唐衣を着てから裳をつけるようになったのは、
平安時代よりも後の時代からであるという情報を目にしまして、そのようにしました。
考えてみれば、絵巻で見かけるような唐衣を半脱ぎのように着る着方は、
裳の下に裾を着込めてしまうとうまくできませんよね…?
あと、同じく時代的な理由で唐衣の表地と裳の小腰(結び紐)は共布にしていません。

一番上に着る装束つながりで細長についても少し。
当サイトでは唐衣の襟と同じような襟(垂領)で、身頃の裾は4枚に分かれているスタイルを採用しています。
理由は単純に見た目が好みだったから、という何だか適当な理由ですが…(笑)
適当ついでに、細長を着たときに腰回りを結ぶ当帯は、
小腰のようなちょっと太めのひもを蝶結びのように結ぶことにしちゃいました。
再現図などを見ると、よく柔道着の帯結びのようになってますけど、
そこは見た目重視でネツゾウしました(汗)
細長には唐衣と裳が合わさって出来たという説があります。
それならと、当帯は小腰に当たるということに勝手にしてしまいました。

このあたりでぼちぼち、袿の下に着る物の話に移ります。
一応当サイトでは袿の下には小袖着用(あるいは単の裾を長袴にイン?)ということにしています。
羽織るだけの着方をしている単の下がいきなり裸というのは、どうにも納得できなくて…
何枚も重ねるにしても、羽織るだけの結ばない着方で、
あまり動きまわらないとはいっても、日常生活が送れますかっ!?とつい思ってしまうのです。

書き忘れたら罪作りなのは、長袴の形状のことです。
本当の長袴は二股に分かれているところに片足ずつ入れてはくようになっています。
要は長ズボンです。スカート状ではありません。
当サイトのは、作者が作りやすさの誘惑に負けてスカートにしてしまったのです…
長袴の飾りもほぼ省略しています…長袴の腰紐の先の方につける立鼓(りゅうご・龍鼓とも)や、
腰のまわりの上指(うわさし・上刺とも)です。
見た目がゴチャゴチャしそうだったのでナシにしちゃいました。

アレ?(汗)装束の色と柄も、伝統ガン無視なことを書き落としてましたね…
ご覧いただければお分かりのように、
現在伝わる襲(色の組み合わせ方)は全く踏まえていませんし、
柄もほんのり和風?なだけです。
襲は袿の枚数の関係で表現が難しかったので、
私がその人物に持つイメージで配色を決めてしまいました。
柄は物が小さいだけに、資料を参考にしたところで、
細かいところまで正確に再現することができませんでした。
昔のゲームみたいな荒いドット絵で、柄を作るようなものだと思ってください(笑)
資料通り「正確に」作ろうとするなら、
その、作りきれない細かいところこそが大切ですもんね。
なので、割り切って勝手に一から作りました…(汗)
長袴の色は一応赤系ですが、袿の色に合わせてそれぞれ違う赤を使っています。
もうですね、ここまでネツゾウしたんだから今更いいでしょう(笑)

◇ ◇ ◇

これでたぶんウソは全部打ち明けたと思います。まだ何かあったら追記します。
ここから先は、読めば1.2倍(←少なっ)楽しめる
当サイトのビーズドールのお遊び的ネツゾウ設定を書いておきます。
あくまでも当サイト限定ですよ。

<その1>
内親王や中宮(になる人)といった身分が高い人物や、特に寵愛されている人物は豪華に袿4枚重ねです。
具体的にはこの4人です↓
藤壺の中宮(この人は内親王でもあります)
秋好中宮
明石の姫君(後の中宮です)
朧月夜の尚侍(寵愛のたまものです)

<その2>
小袖も登場人物の身分によってビーズの種類を変えてます。いやらしいですねえ。
身分の高い人物つまり、皇族と有力な家柄(目安は入内して女御になれること)の人物の小袖はピカピカな白、
それ以外の身分の低い人物は普通の白です。
ビーズに詳しい人向けには
白のギョク(漢字では石へんに玉と書きますが、環境依存文字なんでカタカナで書いておきます)と
ギョクラスターを使い分けていると書いておきます。

ピカピカの人物は
紫の上(皇族出身です)
藤壺の中宮
秋好中宮(東宮の娘という生まれです)
明石の姫君(源氏の君の娘です)
朧月夜の尚侍(なんたって弘徽殿の大后の妹です)
六条の御息所(東宮妃でした)
末摘花(没落していますが皇族です)
花散里(姉は女御でした)

普通の白の人物は
明石の御方(本来、紫の上の女房クラスの身分です)
桐壺の更衣
夕顔
玉鬘(母・夕顔の身分が低いため)
浮舟(皇族の子ですが父八の宮が認知していません)


と、まあ大体こんな感じです。
それではぜひビーズドール目次から各ビーズドールをもう一度ご覧ください!!




2012年10月20日公開
2015年2月20日更新



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